在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

ある精肉店のはなし

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上の写真は映画関連書籍の表紙より転載しております。

2012年3月。
代々使用してきた屠畜場が、102年の歴史に幕を下ろした。
最後の屠畜を終え、北出精肉店も新たな日々を重ねていく。

いのちを食べて人は生きる。
「生」の本質を見続けてきた家族の記録。

自分が在日韓国人家庭に生まれ育ったから、というのも少しは関係あるのでしょうか。幼い頃から『焼肉』には慣れ親しんでいたような気がします。
今でこそ日本人もロースやカルビ以外の部位をバクバク食べるようになりましたが、昔は『内臓を食べる』なんて、ある種のゲテモノ食いだと日本社会では認識されていたように思います。
まあ、地域差も大きかったとは思いますけどねー。


この映画は初っ端『屠畜』のシーンから始まるある種の『食育』映画でもあり、薄れゆく伝統を守っている職人のドキュメンタリーでもあり、古き良き家族の記録でもあり、部落差別に対する啓発でもあり、
観る人によって様々な捉え方があるものだと感じました。
普段我々が口にしている『お肉』がどのようにしてやって来るのか、またそこに携わっている人たちがどんな生活をしているのか、どのような歴史があるのか、一つ一つをじっくり考える上でよいきっかけになろうかと思います。
たぶん、ちょっと「気持ち悪い」と感じる人もいるでしょうけど、『生き物の命をいただく』ってことはそういうことなんだろねーと心にストンと落ちてくるものがありました。


ボクも一度だけではありますが牛の屠畜現場を見学したことがあり、初めはその衝撃と独特の臭いに圧倒されましたが、牛がだんだんと『肉』になっていくにつれ

・・・旨そうだな・・・

などと思い始め、己の業の深さにはっとさせられたものです。
この映画でも随所に出てくる肉やホルモンの旨そうなこと!
焼き肉シーンでは思わずゴクリとなってしまいます・・・



というわけで、お肉あるいはドキュメンタリーが苦手でない方にはいろいろと得るものがありそうな映画としてお薦めしておこうと思います。