在日コリアン、『帰化への道』その2
帰化をしようと思い立って、さて何をしたらよいのかと考えた際、法的・事務的な手続きは当然のことですが、まず一言両親に断りを入れておくことにしました。
ボクはとっくの昔に成人しておりますし、経済的にも精神的にも親離れは済んでいますが、やはり自らの国籍を変えるとなると、一応『許可』をもらっておこうというのは常識的な判断だと思います。
(後に判明しますが、提出書類において「身内の中で反対している人がいるかどうか」のチェックが入ります。)
【電話にて】
「あ、もしもし〇〇だけど。あのさー、実はそろそろ帰化しようかと思ってるんだけど・・・」
「ん?ああ、いいよ、いいよ。それよりさぁ、今度いつ実家に帰ってくる?」
・・・さらっとOKをいただきました。
世間には
という都市伝説が流布されているようですが、実際はこんなもんです。半世紀前ならいざ知らず、在日コリアンの世界でも親や親族が子供に及ぼす影響力は減少の一途を辿っておりますからねぇ・・・
もちろん悪の組織から刺客が放たれるようなこともまったくありません。
というわけで、いざ帰化申請手続きへ。
まずは知り合いの司法書士事務所へ相談に行きました。
(こちらはボクの知り合いでして、かなり柔軟に対応してもらいましたが、それでも平日の昼に打ち合わせでしたので、職場にかなり無理を言って出かけました。)
帰化申請はそれなりに大きな法的手続きですので、用意する書類等がた〜くさんあります。
まず厄介なのは韓国から取り寄せ、かつ翻訳をしなければならない謎の書類が数種類あり(基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書など)、ここで脱落する人もいるようですね。
ボクの場合は相談先に可能な限り融通をきかせてもらったので(上で述べた謎の書類は丸投げ)、自分で用意する書類は減ってはいるのですが、それでもやっぱり多いです。
ざっと書き出してみますと、
- 住民票
- 出生届記載事項証明書
- 卒業証明書
- 源泉徴収票
- 在勤・給与証明書
- 給与明細書
- 市県民税納税証明書
- 所得額証明書
- 写真(住居や室内の写真・・・なぜそんなものが??)
- 旅券写し
- 運転免許証写し
- 運転記録証明書
それから
・文化勲章
・医師免許証
・龍の頸の玉
・仏の御石の鉢
・蓬莱の玉の枝
・火鼠の皮衣
・燕の子安貝
・イモリの黒焼き
・マンドラゴラ
・豆板醤
・塩少々
と、パッと見ただけで手間がかかりそうな書類?の数々に、ちょっと怯んでしまいます。
実際には郵送でなんとかなる書類も多いのですが、平日昼間、役所に行かなければスムーズに手に入らないものもあり、先に述べた司法書士事務所への相談、また後にある法務局への申請などなど、どうしても日中に出向かざるを得ないシチュエーションが度々生じてしまうのです。
「国籍を変える」なんて一大事なのだからそれくらいの労力は惜しむんじゃねーよ!!
諸外国と比べれば日本の帰化は比較的容易で、ほにゃらら・・・
という幻聴が聞こえてきますが、実際問題として平日にポコポコと休みが取れる人ばかりではなく、『物理的・心理的に仕事を休めない人は申請しづらい』という一面があったりするのです。
まあ、ボクの職場が「有給休暇?何それ、美味しいの?」レベルのブラック企業だったからってこともありますけども・・・
あと金銭的にもそれなりに負担があります。
今回司法書士事務所に相談した際は、
ん〜、なんだかんだで合計30-40万円くらいかかりますよ??とりあえず手付金として10万円ほどいただいておきます。
という料金設定でした。
当然のことながら、そんな大金持ち合わせていなかったので、後日銀行振り込みでカンベンしてもらいました(泣)。