在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

朝鮮学校の思ひ出・肆

そういえば朝鮮学校とはそもそも何なのかという説明をしていませんでした。
細かく話せば本が一冊かけてしまいますので、ここでは大雑把に説明してみます。


現在、朝鮮半島には2つの国があるのはご存知と思います。(北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国と韓国:大韓民国
そして日本にいる在日コリアンのほとんどが、そのルーツを韓国に持ちます。まあ、日本により近い南側からたくさん来たって事でしょう。
うちの爺様・婆様も韓国(当時は「日本」でしたが)から渡って来てます。
したがって、在日コリアンの国籍は「韓国」の人が大部分で、「北朝鮮」の人は少数派です。


次に在日コリアン組織については、

  • 総連:北朝鮮を支持する団体。
  • 民団:韓国を支持する団体。

と考えていただければ概ね間違いないと思います。
総連と民団は、言わば北斗神拳南斗聖拳のような関係で、過去数多くのいざこざがあったようですが、現在はお互いにその存在を黙認しているようです。

コリアン系の民族学校もそれぞれ総連系と民団系に分かれますが、圧倒的に多かったのが総連系でボクが通っていたのもこちらになります。民団系の学校は数校しかなかったように記憶しています。
というのも、当時は国籍が「韓国」であっても総連を支持している人が多く、勢力図は圧倒的に総連>民団だったからです。(現在は逆転してるんじゃないでしょうか)






で、いよいよ本題です。
ボクがいた頃、大昔の朝鮮学校では、公式見解として「朝鮮民主主義人民共和国」が朝鮮半島唯一の独立国家であり、「大韓民国なんて国家は存在しない」ってことになっていました。
あそこはあくまでも「南朝鮮」。

侵略者「米帝」の手によって傀儡政権が樹立してはいるけれど、そこは「搾取と圧政渦巻く生き地獄」。
多くの同胞達がもがき苦しんでいる。
子供たちは食うや食わずで教育も受けられず、靴磨きをして日銭を稼いでいる・・・
我々は一刻も早く南の同胞達を解放してあげねばならんのだー!!

ってなスタンスで話が進んでいたので、「韓国などない!」わけです。

もちろん当時でも家に帰ってテレビをつければ、ソウルの高層ビルや南大門市場の賑わってる様子を見ることができました。
それを見て、
「おいおい。学校で言ってる事とは随分違うな。どこに靴磨きがいるんだよ!」と思うか、
「いや、騙されてはいけない。これは捏造だ!」と思うかは、個人の趣味・性格によるところが大きかったような気がします。
ボクがどっち側だったのかは、皆さんのご想像にお任せします。




さて、いよいよ本格的な授業内容になるわけですが、習う科目は至って普通。
国語・算数(数学)・理科(物理・化学・生物)・社会(地理・歴史・公民)・英語・体育・美術・音楽、それから「日語」・「革命歴史」・「金日成元帥の幼き日々」などなど。
おそらくは皆さんが学んだ来たものと変わらないと思うので、説明は不要でしょうが、一応軽く説明してみたいと思います。


☆英語
先日述べたとおり校内の公用語朝鮮語なので、「日語」以外の授業はすべて朝鮮語で行われます。
つまり英語の時間は「英語を朝鮮語で教える」という、一見するとなんだかよくわからない現象が起きるわけです。
ただでさえ面倒くさい「仮定法過去完了」とかを朝鮮語で学ぶのは結構大変なのですが、内容は至って普通。
教科書の登場人物がヘミちゃんとかヨンジュン君だったりするくらいですかね。
ちなみに例のお方は「アワー・グレート・リーダー・マーシャル・キムイルソン」という非常に長ったらしい名称になります。




☆理科(例:生物)
これも内容に関して特筆することはありません。
普通に光合成がどうのこうの、めだかの生態がどうたらこうたらって感じの授業です。
もちろん言葉はすべて朝鮮語です。
ボクはわりと理科好きだったので、一生懸命朝鮮語プランクトンの名前を憶えてたりしたわけですが、今のところ
朝鮮語プランクトンの名前を憶えててホントによかったよ!」
と感謝する機会には恵まれていません。
(まあ、日本語で憶えてても役に立つとは思えませんが)


続く。