在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

朝鮮学校の思ひ出・伍

☆体育
これは至って普通でした。サッカーしたり、バレーしたり、マラソンしたりですね。
お国柄のせいか、サッカーの授業が多かったように思います。
朝鮮学校はサッカーがわりと強いようで、その筋ではそれなりの評価を受けているとのこと。まあ、ボクは運動音痴なのでサッカーもへたっぴですが。
変わっていたところを強いて挙げるとするならば、準備運動が「ラジオ体操」ではなく「人民保健体操」だったことくらいでしょうか。



☆美術
授業数そのものが少なかったせいかあまり印象に残ってないです。
風景画描いたり、静物画描いたりですね。
「習字」もこの時間にやった記憶がありますが、提出用の半紙には「祖国統一」だとか「千里馬」といった、いかにも社会主義!てな感じの、先生受けの良さそうなものを書きましたが、先生のいない時には「春麗」「波動拳!」「ザンギエフ」なんてのを書いてはお互いに見せ合うという、お馬鹿な学生ばかりだったように思います。
この辺のノリは日本学校とそんなに変わらないのじゃないでしょうか。



☆国語
朝鮮学校で言う「国語」とは「朝鮮語」のことを意味します。
「言語はすなわち民族である!」というスローガンの下、「日語」以外のすべての教科は朝鮮語で授業を行っており、また、国語にはかなりの授業数を割いていました。
具体的に言うと、毎日一時間は必ず授業があったように記憶してます。
「たとえ異国に生まれようと、母国の言語を学ばねばならない」という考えは素晴らしいものですし、ボクが(中途半端とはいえ)朝鮮語の読み書き・会話ができるのは、ひとえに朝鮮学校での教育のおかげだと感謝しているところも大いにあります。

が。

教材の内容を振り返って見ますと、やはり「問題あり」と言わざるを得ません。
普通の内容、北朝鮮版「十五少年漂流記」といった物語や論説・紀行文・詩もありましたが、ボクが印象に残っているものは、たとえば、

日帝植民地時代の物語。
農民達は搾取と圧政に苦しみ、その日生きるのが精一杯。
幼い子供達を残して父親が死に、母は病に臥せっている。
頼りの長兄は日帝のせいで牢獄へ。
幼き弟たちはこの先どうやって生きていくのか・・・
嗚呼、この苦しみから解放されるには、早く祖国を取り戻さねば!

みたいにズーンと暗くなってしまう物語や、

反日武装闘争」時代の物語。
日帝軍に占領された○○高地を奪い返すための苛烈な闘いが続いていた。
雨あられと飛び交う銃弾に片腕を吹き飛ばされながらも、命を賭して爆弾ごと敵の陣地に突っ込んでいった××は英雄である!!

といった過激なものが多かったです。
もちろん、「仁義なき戦い」を観た人が全員ヤクザになるわけでもないのと同様に、こんな話を読んだからといって即、北朝鮮のソルジャーになるわけではありませんが、年端もいかない小学生が学校の授業で習う内容としては、甚だ不適切であると言えます。
どこのどなたが教科書の内容を決定していたのかは知りませんが、もしも会う機会があるなら「あんた一体どういうつもりだったんだ?」と尋ねてみたいと思っています。



☆音楽
朝鮮学校でどのような教育がなされているのか。
ほとんどの日本人にとっては「ブラックボックス」であり、まったく情報がないのが現状だと思います。それだけに、いろんな憶測や誤情報が乱れ飛んでいるようですね。
以前、ネットで偶然目にしたんですけど、朝鮮学校の数学(算数)では

我が軍隊の兵隊さんが10人の日本兵のうち3人を撃ち殺しました。
残りは何人でしょう?

なんて問題が教科書に載ってると、見てきたかのように書いており苦笑したことがあります。
いやいやいやいや。
さすがにこれはちょっと・・・
少なくともボクが通っていた頃の朝鮮学校では、こんな教科書は使ってなかったですよ。
いくらなんでもこれはねぇ・・・



と書いたところで思い出したのですが。

南の地の(←これ、韓国のことです。いわゆる「南朝鮮」)

同志達

敵を倒せ!

敵を倒せ!

侵略者米帝

根こそぎ叩いて

ぶっ倒せ!!

なんて歌を音楽の時間に習ってましたよ、そういえば。小学校高学年くらいだったかなぁ。
あんまり深い意味も考えず暢気に歌ってるだけでしたが、これもどう考えても不適切だよなぁと振り返ってみれば思います。


以前、ボクは金日成の誕生日および生まれた場所を覚えてるって話をしましたが、実は「歌」で覚えてるんです。

1912年〜♪
4月15日〜♪
万景台(マンギョンデ)の〜♪
茅葺屋根に〜♪
太陽が舞い降りたのよ〜♪    (←「太陽」=「金日成」)

こんな歌を授業で習うんですよ。冗談抜きで。
残念なことに未だに頭の中から消えてくれず、ただでさえ残り少ない脳の容量を浪費しているのが、とても残念ではあります。
社会主義国家にとっては歌も一つのプロパガンダでしかないのかも知れません。


北朝鮮にも「アリラン」とか「イムジン河*1とかいい歌もあるんですけどねぇ。



続く。

*1:日本ではザ・フォーク・クルセダーズが歌っていますね。とても良い歌です。ボクは日本語版の方が政治色が少なく気に入ってます。