在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

あなたのお名前なんてえの?

実はひっそりとツイッターをやってます。
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そこで出会ったある方からの質問、

在日コリアンはどんな理由で通名を用いる人が多いのでしょうか?

に対してボクの私見を述べてみたいと思います。
一応最初に言っておきますが、「ボクは在日コリアン通名はもう廃止(制度的に時間がかかりそうならば、自主的な不使用)が望ましい」と考えていますし、ボク自身通名を持っていないので、今から書くかなりの部分は想像です。
厳密な統計や論理的整合性を求める人には、物足りない内容になるかも知れません。




まず先の質問、「なぜ在日コリアン通名を使っているのか?」ですが、一言で答えるならば

生まれた時から通名で育った人が多いから。そして、いまさら本名に変えるのが面倒くさいから。

これが理由の筆頭になろうかと思います。(あぁ、なんか罵声が聞こえてくるような気がします・・・)
下にボクが想像する通名在日コリアンの典型を書いてみます。
両親とも通名で生活している在日コリアン。民族教育や朝鮮部落ともほとんど縁がない、一見するとどう見ても日本人としか思えない家庭での話としましょう。



そもそも、人はいつ自分の名前を認識するのでしょうか。
乳幼児から学童へと成長する過程-言語を獲得していく過程-において、少しずつ自分だけの呼称、すなわち名前というものを意識していくはずですが、その間両親が通名で彼を呼んでいたならば、彼の意識の中では自分の名前=通名になってしまいます。
幼稚園、小学校と進む際も両親の意向に沿って(というか、ほとんど何も意識しないまま)通名で学校に通うことになります。
もちろんその間、自分が朝鮮人・韓国人であることには薄々気づいたり、はっきりと告げられたりするのですが、子供の方から本名を名乗ろうなんていうアクションは起こさないのが普通でしょう。
「お母さん!僕は朝鮮人の誇りをもってこれから本名で生きていくよ!」とか小学校1-2年生に真顔で言われたらびっくりですよ。

そうこうしている間に、子供なりのコミュニティやしがらみがすっかり形成されていきます。ただでさえ多感な中高生が、この時期に「突然自分の名前を変える」なんてことを好んでするかというと、それもまた難しいように思います。ただ、この頃になると自分のアイデンティティなどを深く考え出す人々もいます。
そこで、大学へ進学するのをきっかけに本名を名乗るというパターンで行動を起こす例がちらほら出現します。「大学デビュー」とでもいいましょうか。地理的に離れた場所へでも進学すれば、しがらみ的なものをリセットできますので、これを好機と本名を名乗り出した例を2,3みたことがあります。


しかし、それもあくまで少数派。大部分はそのまま大学、あるいは就職へと向かい、人生が「固定化」していきます。
そうしますと、ますます「今さら名前を変えるってのもなぁ…」というものぐさ思考に支配され、「まあこのままでいいかなー」となっていくのです。


不謹慎と言えば不謹慎、現実的と言えば現実的なこの選択。実際名前を変える(まあ、この場合は本名に戻すわけですけど)ってのは結構いろいろ大変です。
事務的な手間もあるし周囲への説明もあるし。


かなり乱暴な例えで恐縮ですが、貴方が小学生のころ、ある日突然両親から言われるわけです。
「実はうちはイギリス王室の血を引いていてな、お前の本当の名前は『チャーリー』だ。今の名前は通名なんだよ。」と。
さて、あなたはいつの段階で「チャーリー」を名乗りだすでしょうか?
それともしばらくは「通名」でいますか?

















今回のエントリーには、「名前の重み」とか「民族の誇り」とかいうウェットな成分は敢えて排除しております。聞きようによってはかなり不謹慎な内容とは思いますが、少しでも届くようにとの工夫と捉えていただければ幸いです。