日本国籍を取得して困ったことは・・・その2
さて、前回述べた『日本国籍を取得して以降、明らかに一つ増えた悩み』とは何か。
それすなわち『出自カミングアウト問題』です。
って言っても、何のことだかさっぱりでしょうから順に説明いたしましょう。
在日コリアンにも当然名前というものがありますが、在日外国人の宿命としてその表記には様々なパターンがあります。
大別すると以下のようになるでしょうか。
厳密に言えばハングル表記の「김일성」こそが本名で、1,2,3はいずれも通名ってことになりますが、ここでは1,2を本名、3を通名とします。
で。
ボクは日本国籍を取得する前、韓国籍ホルダーだった時代は本名(1あるいは2のパターン)で生きてきました。
ルックスはどうみても福山雅治氏と区別が付かないため、ぱっと見で「外国人」に見られることはありませんでしたが、本名を名乗ればさすがに「外国人」だと気づいてもらえます。
なので、ボクの周りにいる人は、すべて「情報の多寡はあるもののボクのことを外国人だと理解している人」だったわけです。
ところが。
ボクは日本国籍取得後の名前をパターン3で選択しましたので、姿形はもちろん、名前を名乗っても「元外国人」であることがまったくわからなくなってしまったのです。
ここでようやく冒頭の『出自カミングアウト問題』になるわけで。
以前のボクを知らないピープルに対して、己の出自的な情報をいつ明らかにするべきなのか、それともしないべきなのか。
究極的にはどーでもいい話なんですけれども、『今までの人生になかった選択肢』が急に出現してしまい、なんとなくノドに引っかかった小骨のような、ささやかな悩みを感じている今日このごろ。
日本国籍取得後の名前をパターン1あるいは2にする人もいますが(例:孫正義氏など)、そういう人はこの手の悩みはないんでしょうし、もともと通名を使ってきた人はこういう悩みにも慣れているんでしょうけれど、ボクにとっては新しい新鮮な悩みってわけです。