夢売るふたり
東京の片隅で小料理屋を営んでいた夫婦は、火事ですべてを失ってしまう。
夢を諦めきれないふたりは金が必要。
再出発のため、彼らが始めたのは、妻が計画し、夫が女を騙す結婚詐欺！
しかし嘘の繰り返しはやがて、女たちとの間に、夫婦の間に、さざ波を立て始める・・・
『ゆれる』*1『ディア・ドクター』*2の西川美和監督最新作です。
R15指定で、家族・恋人とはもちろん、友達と観にいってもちょっと気まずくなるだろうこと間違いなしのシーンがいくつかありますので、ご注意を。
松たか子演じる妻は、まさに絵に描いたような「良妻」なのですが、徐々にどす黒い何かが滲み出るようになってきます。夫婦の間に漂う暗く重苦しい雰囲気は臨場感たっぷりで、なんかこっちが居たたまれなくなるほどでした。修羅場になると女性って怖いです・・・ホント・・・。
「告白」*3の時にも思いましたが、松たか子さんていいトコのお嬢様なのに、「狂気を帯びた人物」の役が似合いますね。まさに女優。
昔は「親の七光りで女優かよ！」とか思っておりました。ごめんなさい。
個々の結婚詐欺に関しては、「えー、そんなにうまくいくのー？？」っていう箇所がいくつかありますが（田中麗奈が結婚相手に困るとはとても思えないです！）、リズムよく進んでいて飽きさせません。
ラストはちょっと消化不良な感じもしますが、こういった観る側の想像に委ねるような終わり方が西川監督の映画なのかも知れませんね。
ちょっと一人で映画にでも行こうかーと思った時にお勧めです。
