あん
公式サイトはこちら→映画『あん』
縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)。そのお店の常連である中学生のワカナ(内田伽羅)。ある日、その店の求人募集の貼り紙をみて、そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江(樹木希林)が現れ、どらやきの粒あん作りを任せることに。徳江の作った粒あんはあまりに美味しく、みるみるうちに店は繁盛。しかし心ない噂が、彼らの運命を大きく変えていく…
和菓子大好き、あんこ大好きなボクとしては『題名に惹かれて』ってところも無きにしもあらずでしたが、キャストや予告を観てこれは絶対に行かねば!と密かに気合を入れていた映画です。
で。
実際に観てきたのですが、本当に様々な思いを抱かせてくれる良い映画でした。こういう作品があるから邦画を観るのはやめられないんですわ。
ドラマ『デス・ノート』や『ど根性ガエル』もええんですけど、この映画もどーんと話題になって多くの方の目にとまるといいなと心より思います。
「癩(らい)」、「癩病」いまで言うところのハンセン病に関しては他にも有名な作品(「砂の器」もドラマや映画になってますね)があるものの、現実に患者さん・元患者さんをみる機会はほとんどなく歴史の片隅に埋もれつつあるようにも感じられますが、こういった事も広く後世に伝えるべきではないでしょうか。
こちらに非はないつもりで生きていても
世間の無理解に押しつぶされてしまうことはあります
そうしたことも伝えるべきでした
というセリフが頭を離れません。
それにしても、樹木希林さん。
『本当にこういう経験をしてきた』としか思えないような真に迫る演技で、ドキュメンタリーですと言われても信じてしまいそうなくらいでした。
役者というものはなんとも恐ろしいくらいの迫力を秘めているものですね。
お孫さんとの事実上初共演だったそうですが、娘さんもこれから役者としてやっていくのでしょうか?
ちょっと期待して見守りたいと思います。