在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

思いを運ぶ手紙

公式サイトは・・・ないみたいなのでこちらを参照してください。

「思いを運ぶ手紙」は、首都ティンプーから5日間かけて山道を徒歩で登り、山奥の村リンシに手紙を運ぶ郵便局員を、4年間かけて撮影したドキュメンタリーです。人の手が入っていない大自然は美しく、道端の花々はすべて薬草です。
人々は山々を神と敬い自然と共生し、経済的には厳しい中でも幸福を感じて暮らしています。
一方で、モンスーン毎に橋が流され数ヶ月間孤立することも多いリンシへの山道は険しく、雨季は膝まで泥に埋まり、冬は雪で埋まります。
配達員が1回に預かる郵便は15通ほどですが、26年間毎月12日かけて一往復する道程は、運がよければ途中で出会うヤク飼いの人々と、先の道の情報を交わし、道や橋を直しながら進む、命がけの道です。

ひょんなことから観賞することになったこの映画、色々と「考える材料」を与えてくれるものでした。



ブータンと言えば、「幸せの国」だとか「国民総幸福感がどうたらこうたら」ってことで、一時期ちょっと話題になりましたよね。
ボクはTVをほとんど観ていない上に、その手の『現代社会が失った大切なものがここにあるんです』系の話にはあまり心惹かれないタイプなので、どっちかというと捻くれた視点で観賞してしまったのかも知れません。
とはいえ、このブータンという国、本当に美しい国でした。ただの野草に近いであろう花々や、まったく手入れがされていない木々、連なる山々や(主人公が溺れかけた)川。
どれをとっても輝くように美しく、一度は自分の目で見てみたいと、そんな思いを抱いてしまうような景観でした。(外国人観光客の入国は制限されてるみたいですが、可能ではあるようです。)
主人公はじめ、出てくる人々はいろんな不便に対して不満はあるものの、与えられた環境で一生懸命生きていて、『ああ、こういう幸せというのも、ありなのかも知れないなぁ』と思わずブータン行のチケットを手配しようかと思ったくらいです。




が、じっくり観ていると、なかなかに厳しい事がありありと浮き上がってきます。
ボクはもちろんできませんが、今日本で生活している人々のうち、この主人公と同じ生活ができる人っていったいどれくらいいるんでしょう?
郵便を数日かけて徒歩で届ける、それも舗装された道路ではなくて、鬱蒼とした山々のまさに道なき道をです。
雨が降ったらこないだ渡った橋が流されて消えています。仕方ないんで「自分で橋を作って」渡ります。
たった一人黙々と歩き、夜はたき火をたいて野宿です。シャワーなどあるはずもなく、映画には出ませんでしたが大小便もお外でしょう。
食事はなんだかよくわからない謎の携帯食を食べていました。
川で溺れかけ、熊に襲われたらそこで人生終了。



文明に浸りまくっているボクには、本当にここに「幸せ」があるのかどうか、正直よくわかりませんでした。
人によってはあるのかも知れませんし、無いのかも知れませんし。
そもそもそういう観点で幸不幸を論ずること自体誤りなのかも知れませんけど・・・



とまあ、こんな具合にまったく取り留めもないまま、いろんなことを考えてしまう映画でした。
たまにはこういう事を考えてみるのも、良いものなのかも知れません。




























ちなみに一人当たりGDPで考えると、日本は世界のトップクラスで、韓国はその約半分。ブータンは韓国の約10分の1なので、日本の1/20ってことになります。
平均寿命が日・韓・米およそ80歳と比較しブータンは68歳程度となっています。
参考までに。