在日コリアン、おきらいですか?

「在日コリアン、おきらいですか?」というはてなダイアリーを書いていましたが、この度ブログに移行しました。

ついに登場

皆様お待ちかね、「金日成元帥様の幼かりし日々」についてです。
実際の科目名は直訳すると「幼年期」くらいになるのでしょうが、それではわかりづらいと思ったのでボクが意訳しております。

以前コメント欄で在日5世さんが仰っていたように、この科目は週に一時間程度で、日本学校で言うところの「道徳」に相当するのかなと思っています。
まあ、内容的には「道徳」とかなりかけ離れているとは思いますが・・・


で、その内容なんですけど、読んで字のごとく、金日成の生まれてからのお話が延々と書いてあるのです。一冊全部に。
1912年4月15日に生まれる所から、長じて「反日武装闘争」のために故郷を離れるまでのエピソード集と思っていただければ間違いないと思います。

朝鮮学校教育ではそのすべての場面で、金日成は決して過ちを犯すことはない「完璧超人」として語られるわけですが、この科目が正に真骨頂。
ネプチューンマンもビックリの完璧さを見せ付けてくれます。
特にその最終回、

若かりし頃の金日成元帥様は、「祖国を日帝から取り戻すまでは、二度とこの河を渡って故郷へ帰ることはない!」と固く誓って、冬の鴨緑江を独り渡って行くのであった。

なんて、「作者は一体どこでこの光景を見てたんだ?」というツッコミを忘れるほどのカッコよさ。
まさにパーフェクトなのです。


もう一つボクが印象に残っているエピソードがあります。
これは金日成がかなり小さな頃の話だと記憶していますが、

皆で泥遊びをしていた時の事。
泥団子を作っては並べていたある子供が、団子を二つ並べて「ほら見て。1+1=2はやっぱり正しいよね?」ってな事を言うわけです。
すると、幼い頃の金日成がおもむろに二つの泥団子ををぶつけてくっつけるのです。
で、語るわけですよ。

「見なさい。二つの泥団子が合わさると大きな泥団子になる。このように我々人民も一つに団結し、日帝の支配に対抗しなければならないのだ!」

んで、周りの子供達が「やっぱりこの人はすごいぜ!」と感心しまくり、尊敬しまくる。

なんてエピソードがありました。



正直言って、子供心にも「そりゃ、ちょっと苦しくないかい?」と思いましたし、何よりこの逸話、ボクが読んだ「エジソン」の伝記に似た話があったので、かなり白けてしまった記憶があります。
また、仮にこの話が本当だったとして、それが「偉大な人物の見せた片鱗」なのか「ひねくれたガキの戯言」なのかは微妙なトコだと思います。


まあ、全編こんな感じの美談が続きまして、いざ試験ともなりますと、こういったエピソードをいかにそのまま書くかだけが勝負、ほとんど「写経」です。
何年何月何日にこんな素晴らしいことをした、素晴らしいお言葉を言ったとかをそのまま記憶し書き写すのです。



ボクは当時から「これ何の意味があるわけ?」とかなり疑問に思っていましたが、こうして大昔の話を思い出せるところから考えるに、「記憶力の増進」には多少貢献してくれたのでしょうか。